忌録: document X 2014年5月 A.SMITHEE
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著:阿澄思惟
概要・粗筋
その忌まわしさゆえに存在を葬られ、封印された事件。
神隠し、呪詛、幽霊屋敷、心霊ビデオ・・・。
本書では、著者が2006年から2012年までの間に収集した、それらの記録を公開する。 (amazonより引用
むう…何を書いてもネタバレになる…
評価:
癖のある本だけど、個人的には超お薦め!!
以下、なんとなくネタバレかもしれないので注意!
え~、これは私が生まれて初めて購入した電子書籍でしてね、一発目でこんな
大当たりを引いちゃっていいのか……と思うくらい、
興奮した本です。
どう感想を書こうか、非常に悩みどころではある。というのも、この本の
「怖さ」は、読んだ人それぞれによって、多分
「凄く違う」からである。
映画で例えるならば、
フェイクドキュメンタリー映画が近いであろうか。フェイクドキュメンタリー映画において、
「何も映っていない風景」に
「何か禍々しいものを感じるかどうか」は人によって全然違う。それは
個人の体験が影響する怖さだからだ。例えば子供の頃に森で迷ったことのある人間にとっては、延々と映し出される雑木林が恐怖映像以外の何物でもないように、だ。
ブレアウィッチは、以下略
この本は
「ある記録」が並んでいるわけであり、確かに
即物的な異常な状況は起こるのだけれども、最終的にそれらを組み立てて、事件・事象として完成させるのは
読者自身なのである。
細々としたちょっとおかしい状況の積み重ねを、そこまで込み入ってはいないけども
パズルのように一つの形にしていく。ポイントは、
パズルのピースが全部そろってはいない、という所だ(
ここら辺、当ブログにいらっしゃるホラーファンならば「ニヤリ」とできる抜け方だったりする)
このじんわり気づく感じが何とも…
ちゃんとした答えが明確に出る作品ではない。だけども、それは欠点ではなく、解答を求めて
誰かに聞いたり、
ウェブで検索したりする……
そこまで含めて、この「忌録」なのである。
是非友人同士で意見交換をしよう!
個人的には
第一話「みさき」と
第四話「綾のーと。」 を推したい。
特に
「綾のーと。」 の
「後を引く怖さ・不気味さ」は素晴らしい。何故かというと……
誰もが一回は目にしたことがあるものだから
つーわけで、これは
マジでお薦め!
あの最後の文章を見た時の「あっ」って感じが……