ジョン・ウィック 原題「John Wick」2014米
監督:チャド・スタエルスキー
デヴィッド・リーチ
主演:
キアヌ・リーヴス!
ウィレム・デフォー!
ジョン・レグイザモ!
ミカエル・ニクヴィスト
ARASUJI!
ロシアン・マフィアのボス、ヴィゴは盗難車の解体屋ジョン・レグイザモに電話をかけた。
「おい、何で俺の息子を殴った?」
「……あんたの息子はジョン・ウィックの車を盗んだ。しかも、あいつの犬をぶち殺したんだそうだ」
そう、マフィアのバカ息子がGSでみかけて、追跡、襲撃した相手は
バーバヤガ(ロシアの昔話に出てくる鬼婆。子供を攫う事から作中ではブギーマンと関連付けられて語られる)と裏社会で名の通った、伝説の殺し屋だったのだ。
そんな伝説の殺し屋の病死した愛妻が、自分が死んだ日に宅配便で送ってきた正に希望を、
本人の目の前でバットで殴ってぶち殺した…と思ったら、
犬ちゃんは最後の力を振り絞って
ジョンの所まで這ってきて息絶えた――という
地雷を踏んだうえに、手榴弾のピンを抜いて、ガソリン被って尻の前でライターを構えて屁をひり出そうとするような超絶アホ行為をぶちかました息子を、なんとか助けようとロシアンマフィアのボス、ジョンに電話!
「なあ、ジョン。正直すまんかった。だが、理性的に話あお(ガチャ)」
……戦争の火蓋が切って落とされた!
評価:スタイリッシュいたたまれないアクション!
以下ネタバレにつき、ご注意!
粗筋を読んで、
「悪党どもよ、俺の逆鱗に触れたな?」系の
96時間とか
コマンドーとかを想像すると、
ちょいと違う!
なにしろ、このジョン・ウィック、
引退して結構な時間が経ってるのよね。
でも、粗筋通りな感じなので、
ジョン激オコ状態なわけで
昔そのままのテンションで襲撃者を撃退したり、殴り込みに行っちゃうわけだ
結果
ここまでではない
体力面でコレなわけだから、
技術面も何だか危うい!
最後にヘッドショットで止めを刺すのは良いんだが、その前に
わりと無駄弾を撃ちまくる。いや、基本、伝説級の腕なんで、殆どが1~2発なんだけど、
例えばただの
チンピラかつチンピロ状態であるロシアン息子を
スローモーションでスタイリッシュに撃ち逃し!
ついでにボスの腹心(
右腕ではない戦闘隊長・この人だけ動きがなんか鋭い)に
スゲェ勢いでボコボコにされます!
ってか、ボコボコにされ過ぎ!
満身創痍なジョンは、
グッタリしすぎて、ベッドに寝てる時フツーに暗殺者に気づかない!
まあ、安全地帯って油断もあるんだが
ってなわけで
キアヌ無双を期待すると若干裏切られるのだけど
じゃあ、つまらんかというと、そうでもない
作中でも言われてるけど、ジョンに送られた犬は
「希望」なんだよね。
で、それを奪われたからジョンは怒り、バカ息子を追ううちに、自分の「過去」と対決するんだけど、マフィアのボスも自分の息子を失って(恐らく)ジョンと同じ状態になっちゃうわけなんですな。
だからして最後は
希望を奪われた未来の見えない男二人のタイマン
になるわけです
闘いの場面も舞台っぽい
だからして、二人はお互いを刺して過去を清算するわけで
マフィアのボスの死は
明確には描かれず
ジョンは妻に促され、自分で犬(希望)を盗んで歩いて家に帰る、という
殺し屋が過去を清算し、生きることにした、という大変わかりやすい形で終わるわけですな。
うん、これで壮快なアクション映画になるわけがないw
だからして、これは
そういう寓話としてみると面白いと思うのよ。
我々の世界を
一枚めくった裏にある殺し屋の世界の描写とか、殆どファンタジーだしね。
ファンタジーな処刑方法。もう明確に寓話
車を使ったアクションとかも含めて
どこか
落ちぶれた騎士の復讐譚にも見える不思議な作品。
お暇なら是非に!
ちょっとナイトライダーズを思い出すんだよなあ
デフォーも出るよ!!