はい、知ってる人は知っている名作児童文学
「冒険者たち ガンバと15ひきの仲間」著:斎藤敦夫の映像化作品でございます。
過去、出崎統監督が
「ガンバの冒険」としてアニメ化。その他、舞台やらなにやらと形を微妙に変えつつ今も語り継がれる作品でございます。
粗筋は単純。
「町ネズミのガンバは助けを求めてきた忠太の願いを聞き、白イタチのノロイを倒すべく仲間たちと戦いに向かう」という
「七人の侍」みたいなものでございます。
とはいえ、メディアの違いと言いますか、
原作の仲間は15人。
アニメ版はぐっと減って7人。
今作ではアニメ版と面子を一部入れ替えて7人。
アニメ版は放送終了後、総集編として
新規アフレコをかましてやや劣化した劇場版を作成したのですが
この再アフレコは失敗だなあ、と思う
その
過去の劇場版の上映時間+12分位の今作。んじゃ、ほとんどアニメ劇場版と同じなんじゃね?とくるかもしれませんが、
うん、まあ、大筋は変わらないんだけど
細かい設定やら、名場面、キャラクターの関係性などを
アニメ版と原作から拾ってきて組み立てた、ハイブリッド版…というと褒めすぎかもしれないけど、
うーん、俺は
大絶賛ですね。
特に
オリジナル部分の熱さは、見て良かった!と素直に思えたし
素晴らしい!と諸手を上げて褒め称えたい。
俺、白組とか、その辺りのあれやこれや
そんなに好きじゃないんだけど
K20は大好き
これは凄いわ。俺はこれ買うわ。
いや、勿論、
駄目な映画ではあるなあ、とも思う。
言ってることがグチャグチャじゃねーかよ、とそこの眉を顰める奥さん方!
まあ、ちょっと読んでみてくださいよ。
あなたも、観たくなるかもよ……
いや、
上映終わってるかもしれねーけどね
じゃあ、まず、駄目な所!
①誰向けだコレ?
あー、この前のドラえもんと同じく、
ガキに見せたいんだか大人に見せたいんだか、まったく焦点が絞れていない作品である。
もっと言えば、
ファン向けなのか、一般向けなのか、それもあやふやだ。
この作品は完全に子供向け、である原作と、やや上の視聴者も含めて楽しめるハードなアニメ版の合成作品なんだけど、
アニメ版からバイオレンス描写を取っ払って、
アニメ版と同じまとめ方をしてるのね。原作ほど
「ほのぼの」しておらず、アニメ版ほど
「殺伐」ともしていない。でも
子供には展開が唐突すぎる。
……誰向け?
②上映時間が短すぎる
①と少し関係するけど、ともかく90分弱では短すぎる!
アニメ版は島についてから8話使ってるんですな。それをテンポよくまとめた劇場版は、やはりテレビ版の深みには到底及ばず、はっきり言って、
そんなに面白くないんですよ。
そんなアニメ総集編劇場版と同じテンポで作ってるもんだから
まあ、展開がすげー唐突。更に余計な展開も吹っ飛ばそうとしたために、例えば
・ノロイがいきなりガンバの名前を知っている
・ノロイの催眠攻撃の前フリが無い
・ノロイ戦までがダイジェストすぎる
肝心要のノロイ戦の前フリがこの有様でございまして、まあ、ここら辺正直ガッカリです。
あと一時間あればねえ……
サマーウォーズと同じだね。テレビでやれよ!
③スローモーションの多用
ダサい。
ノロイの爪を避けるシーンとかだけに絞りましょう。スローが来る前に「ああ、来るな」と判っちゃうのはどうなんだろう。スローって、
我々の興奮が頂点に達したところで、凄まじい運命の一瞬が、長々と描写され、思わず息を止めて映画に引き込まれてしまう…
っていう使い方じゃねーの?
なんか、
カッコいいでしょー?とか
うーん、正直
悪い意味で馬鹿っぽい。
④なんで秋に公開したの?
俺は、これが一番頭に来た。
アニメ版にあった「尻尾を立てろ!」という名台詞は今作にはない。
あえて言うならば「海が見たい!」であろうか。これがあるからこそ、船の上で水平線のむこうまで広がる
青空と入道雲に爽快感と浪漫が感じられる。
更に言うなら、今作のキーアイテム「ソテツの花」は夏~秋の花なんですね。
ここまで夏を前面に出しといてソテツの花だけは秋?
だから「秋に公開」したの?……そりゃ、子供は見に来ないよ。
夏の映画を夏に観るからこそ、斜めに構えた子供だって
「海を観に行きたくなる」んじゃないか。そこまで含めて
「冒険映画」なんじゃないの?
①と関連するけど、
まったく子供の方を向いてないよコレ。
あと、これ確認しきれてないけど、今作、クライマックスでガンバがノロイに向かって「殺す」って言ってたような気がするのよね。これ、勘違いかもしれないから強く言わんけど、アニメ版・原作共にノロイに向かっては
「倒す」とか
「やっつける」としか言ってないと思うんだよね。
ノロイは、あくまでもガンバたち冒険者達の前に立ちはだかった
「障害」とか
「目的」だった思うんだけどねえ……
つーわけでですね、この映画、コケちゃったらしいんですね。
いや、俺は当然だと思うよ。
宣伝も
「製作費」を前面に出してたしね。
アホじゃねーの?
……と、まあ悪口を言いまくりましたけどね
俺ね、ホントにこの映画好きなんだよ!
まずは
キャラデザね。
原作は味もそっけもない、だからこそ空想が拡がって大変素晴らしい薮内正幸氏のリアルなイラスト。
いや、難しい
アニメ版は椛島義夫氏の個性あふれる、観てるだけで心が躍りだしそうなディフォルメキャラ。
似やしねえ
そして今作はフルCG!
これっが、まあ、なんか……
なんか艶めかしい!
このボディライン!
特に
忠太ね!いや、俺はネズミ詳しくないんだけど、忠太の
ぺとぺとしてそうな餌用のマウスのような、妙な色っぽさはちょっとスゴイ
ただまあ、原作やアニメよりも人間体型にしちゃってるんで、
本物の人間が出てくると、人間のCGとの対比で「何だか変な感じ」が画面中に漂っちゃうってのは、ちょいとよろしくない。
それでもちょっとした変化で
老ネズミと子供ネズミを差別化していたりして、結構な凄さだ
続いて
美術
これは賛否両論別れると思うんだけど、俺はアリだった。いや、いかにもCG然とした自然描写とか、うーんって部分も多い!イタチのダンスのあのシーンとか、ちょっと舞台っぽすぎるというか……いや、作り手たちの
「俺達の技術って凄いだろ!」という主張が強すぎるかな、と思う。
でもねえ……うーん、白組の技術力っていつも
「何かが一点だけ足りないけど凄まじい」んだけど、時たま、
奇跡みたいな素晴らしい画面が飛び出してくると思うのよ。
で、今作はアレです。
港ねずみと船乗りねずみのパーティ会場ね。
もう、これが!
ギジェルモ・デル・トロ監督作「ヘルボーイ・ゴールデンアーミー」のトロール市場みてぇ!
こういう大変正しい、劇場用映画としてのアレンジを大画面で見れたのは、本当に幸福な瞬間でした。
続いて
キャラ設定
前述の通り、今作は原作の15人をアニメ版準拠で7人に統合。
まあ、問題はシジンを退場させ、アニメ版では統合されていた
ボーボとマンプクを分けたって所だ。もうこれだけで原作既読者は
「あぁ…」と遠い目をすると思うんだけど、まあ、ともかく順番に観ていきましょう
ちなみに管理人の偏見多めに入っております
ガンバ
アニメ版
原作版
今作版
原作版ではリーダーとして静かに成長し、最後に起こる
悲劇を経て大人になっていく青年、といった感じのキャラ。アニメ版では
一行の羅針盤といいますか、
無鉄砲にして自由の象徴といいますか、まさに
元気印の少年。
今作はアニメ版+1~2歳といった感じの、
やや落ち着きつつある無鉄砲な少年。夢の為に暴走はしないけど
ひたすらに走って行ける夢多き子供って感じですかね。
出ずっぱりだけど、ガンバが喋るだけで画面が明るく華やいで感じる。
身体能力は等身が上がったせいか、アニメ版には劣るんだけども、その所為か
後半のアクションに妙に悲壮感が感じられていい感じだ。
この辺りとか
声を担当した梶裕貴の熱演も相まって、素晴らしい主役っぷりである。
ヨイショ
アニメ版
原作版
今作版
原作版と大体同じの
父親的存在。ただアニメ版であったガンバとの友人感はごっそり抜けており、声を担当した大塚明夫氏のイメージ通り、
戦友といった感じである。
とはいえ、実は
活躍シーンはあまり無く、個人的にはアニメ版の方に軍配が上がるかなあ
つっても
うははははは!気に入った!
こういう
豪快な台詞を大塚氏の声でやられちゃうと、もうそれだけで満点でございますな
ガクシャ
アニメ版
原作版はただのねずみですので部長を置いときます
今作版
アニメ版では故・富山敬氏がコミカルかつチャーミングに演じられていたキャラでしたが、今作版では
原作に準拠!声を担当なされたのは
池田秀一氏!
これが
本当にカッコ良い!マンプクの背中に勝手に乗るシーンの
<失礼
とかのクールな言い方!ね!もう
最高なんですよ!あー、かっこいいわ~
ちなみにノロイに催眠術をかけられたネズミたちに胴上げされて
<え!おい、ちょ、うわー
等という、
大変萌えるシーンもございます!必聴!!!
マンプク
原作版はただのねずみですので部長を置いときます
今作版
原作では
ダラダラ引きこもっているガンバを海に誘う、という超重要な役処なのに、それ以降活躍がほぼない不遇なキャラ。
アニメ版ではボーボと統合。
さてどうなることやらと心配だったのだが……
こいつがいて本当に良かった
高木渉さんの演技と相まって、
映ってると何かギャグをやってる大変ホッとするキャラ。
そう!
こいつだけが子供向けのアニメをちゃんとしてるのだ!
いや、子供ネズミにオオモテで、好きなネズミができ、
最後の最後に、
実は好きになったネズミが人妻で、自分に懐いてた子ネズミがその子供だった!
という綺麗なオチをつける辺り、スタッフに愛されているなあとホッコリする
忠太
アニメ版
原作版はただのねずみですので部長を置いときます
今作版
原作では
なんと最後に出てこない、ガイドキャラなんだけども
アニメ版に準拠してか、今作では所々でちゃんと活躍。
尺の都合か、
ガンバたちとあまり絡まずに島に行ってしまうのが残念。
とはいえ、最後の最後に姉の真意をガンバに伝えるべく、去りゆくガンバと並走する姿は、
きちっとウェスタンしており、ガンバたちが夏の空に消えていく、というのが、この映画が
忠太にとってもひと夏の冒険であり、ガンバたちは通りすがりの冒険者であった、という筋が通っていて大変よろしい
ベタだけど良いシーンだ
イカサマ
アニメ版
原作版はただのねずみですので部長を置いときます
今作版
アニメ版で1,2を争う人気キャラといったらイカサマだろう。
皮肉屋で、クール。その実、
ガンバの言葉に感じ入ってノロイ打倒の旅に加わり、悲劇を前に号泣する。そんなキャラだけど、流石にこの尺ではアニメそのままでは駄目と判断したのか、今作は原作準拠の
一歩引いたクールキャラ。何故だかごついキャラデザで、首を捻るのだけども……
藤原啓治氏が
へっ、そういう賽の目が出ちまったのよ
なんつー日には、あなた全面降伏ですわ。
しかもイカサマは今回
ツッコミ役なのね。だもんで、ちょっと引いた場所で、割と多めのツッコミをしている。
それ故に、続いて紹介するキャラとの後半の絡みが
グッとくるのである。
ボーボ
アニメ版
原作版はただのねずみですので部長を置いときます
今作版
アニメ版では裏主人公。面白そうだからとついてきて、雰囲気で流され旅に同行し、
失恋をし、悲劇を目撃し、最後の最後に
半歩だけ成長する、大変素晴らしいキャラ。
しかし、今作では原作準拠。言っちまえば、裸の大将的な
「なんでお前ここに居るの?」という「旅を楽しんでいるキャラ」
じゃあ、ボーボっていらないキャラなのかってーと、それは絶対に違う。いや、もしかしたら原作を読んだ人のほぼ全員が、
ボーボの事は忘れられないのではなかろうか?
現実を見ていないようでいて、一番現実を見ていて、そして
あまりにリアルな死に方をする。
朝見たら、昨日の傷が原因で死んでいる…
今作は、ほぼ同じながらも、もしかしたら原作以上のインパクトのある死に方をしていく。詳細は後述!
ノロイ
原作版
アニメ版
今作版
原作版は割と知的な攻め方をメインにしてくるのだけども、アニメ版は、ある意味で主役。ノロイ無くしてアニメ版は成立しない。知的で美学を持ち、策謀に長け、異常な体力と俊敏さ、催眠術まで使う!しかもネズミを殺す理由は
「汚らしいネズミどもめ」
という
お前は本当に子供向けアニメのキャラかと腰が抜けそうなほど怖いキャラだったのだ。
今は放送できないなー
さて、今作は……
そこ、
ミューツーとか言うんじゃない!
うーん、デザインも含めて
生物感ゼロ。ってか
イタチが完全にモンスター。
まあ、そういう世界観で、ねずみ達にはそういう風に見える、と思えばOK…かな?
故、大塚周夫氏の名演はまったく越えられないんだけども、今作の野村萬斎の怪演も中々である。特にあの高笑いがよろしい。カマっぽいのは……短い時間でインパクトを与えるには仕方がないのかもしれない。
まあ、最大の問題は
帝都物語のアニメ版と同じく、キャラの向こうに役者が見えすぎることか
ってか、ただの野村萬斎です
最後に
ストーリーのアレンジ
えーとですね、私は小説なり漫画なりを映像化するならば、
原作に忠実じゃなくても良いと思ってる人です。だって、尺の決まった映画でですね、行間やらコマとコマの間の時間やら、個々人の持ってるイメージを完全再現しようったて、そんなものは土台無理な話でしてね、だから、
エッセンスだけを取り出して映像化すりゃいいんじゃねーの、と
でも、
原作が好きな人間がぶーぶー言うのも、とても大切だと思ってるわけですよ。
だってファンなんだからさ、何かイメージの違ったものを見せられたら、自分の大切な物を踏みにじられたような、こだわりを全否定されたような、
目の前で宝物にじっくりと泥をぶっかけられてるような気分になるじゃないすか。
そんなファンをね、
まーまー
と
丸めこんでくるような映画こそが、良い原作つき映画だと思うのだが、どうすかね?
で、まあ、今作ですがね、割とそれが巧く行ってるんじゃねーかなー、と思うわけですよ。
まずは
イカサマとボーボ
これはアニメでは勿論省かれたエピソードなんだけど、原作では
ボーボをイカサマが水葬するんですな。この時のイカサマの台詞が、もう、
浪漫たっぷりの悲しい台詞で、あー、いい話だ~と涙腺が崩壊するような場面なんだけども
今作は、それが
かなりボリュームアップしているんですよ!
あず、ボーボが怪我を負うシーンは原作通り。
それをガクシャが検診し
「…ボーボは大丈夫だ」→「イカサマのその言い方に何かを感じる」
ボーボ「イカサマ、また冒険に連れてっておくれよ」イカサマ「あ、ああ!」
翌朝
イカサマ「ボーボ行くぞ!」ボーボ「イカサマ、ボーボはもう駄目みたいだ…」
なんとイカサマがボーボの最後を看取るのだ!
すうっと力尽きていくボーボに、イカサマが取りすがって号泣!!
藤原さんと高戸さんの極まった演技大爆発!俺の涙腺も大爆発!!!
惜しむらくは、このシーン、クライマックス手前で始まるんで
結果、
本編から浮いちゃってるんだけども、それでもこれだけでも、俺は見て良かったと思ったよ!
オイボレと長老と父親と
ここら辺、一々上げていくと限が無いんだけど、アニメ版と原作版の主人公たち以外のキャラの統合が巧い!
原作のオイボレ、アニメの長老、アニメの裏切者のあいつ、をうまーいこと潮路の父親にまとめてありまして、これが後半の
決戦の起爆剤になるんですわ。
これが巧い。怒りに震えながらも、リーダーになろうとする潮路に影響され、
どこか覚悟の足りなかったガンバが、単純に知っている人を殺された怒りでノロイと対決たりえるところまで心が持ち上がっていくのがわかるのだ!
ツブリの怒りとノロイの最後
原作では多分オス、アニメ版では完全にオスの
オオミズナギドリのリーダー、ツブリ。巣を開けた隙に、卵とメスたちをノロイ一族に全滅させられ、ガンバに協力するんですな。
それが今作は、なんと
性別がメス!
声は
アニメ版ガンバの野沢雅子さん!
野沢さんをねじ込む為の改変か?そんな風に半笑いになった日もありました。
ところが、ところが!
このツブリは、なんというか……
正解なのだ!
ガンバたちを見送る時に見せる、あの
母性!
それが
ノロイ達との対決の時に大爆発する!
この説得力!
原作では
ノロイはガンバたちじゃなく、ツブリ達によって倒されるのね。いや、勿論ガンバたちには「その権利が無い」んだから仕方がないんだけど、アニメ版から入った俺は呆気にとられたわけですよ。
なんか……なんかもうちょっと……そんな一瞬出ただけのキャラになんて……
ちなみに
アニメ版のツブリは運搬係です。
それが今作では原作とアニメ版のドッキング!
まずは
オオミズナギドリたちの特攻!
このツブリ達が見せる怒りの凄まじさ!
振り払ったら、二の矢三の矢が!
深海に消えるノロイ
だがもちろん復活のノロイ!
海ドカーン!
ここでアニメ版最後の
砂浜の対決の再現!
更にツブリ、ズドーン!
うおおおおおおおおおおおおっ!熱いっ!!
次々と水圧に負けてふり払われていく仲間!
ノロイに噛みつつき続けるガンバ!
ツブリ、離脱前にガンバを回収しようとするが…
ノロイ反撃!!
ガンバ首にガブーッ!
二匹深海へ!
もう、ね
動きに演出、声優陣の演技の素晴らしさが融合した
とんでもない傑作シーンですね。
もう、ここだけで俺は100点です。
あー、スゴイ!
しかも混戦の中、
グワンバーッ
と
抜けるように響く萬斎ボイス!
テンションあがる―!
潮路とラストの展開
で、まあ、これどうやって〆るの?とドキドキしてると
ここで
潮路の出撃ですよ。
潮路は忠太の姉で、
原作では最後の最後にノロイの一撃が原因で死んでしまうんですな。で、アニメ版は生還するも、うーん、ちょいと
お飾りの域を出てないかなあ、と。
で、今作。
原作アニメと同様にガンバといい感じになるんですが、今作はそこから一歩進む!
先述のノロイと共に海に沈んだガンバを
ツブリに頼んで助けに行くのだ!
素晴らしい!
この映画の恋愛は
「言葉に出さない。行動で示される」のである。それをクライマックスのシークエンスに、面白い形で入れてくるこのシナリオの妙味!
潮路の差し出した手を握ろうとするガンバ!
だが、その時
この
対比の凄さ!
生と死!希望と絶望!
そうよ。こういう
単純な奴でいいのよ!
ってなわけで、最後に伏線で貼ってあったソテツを利用しての切ない告白で〆という
まあ、文句のつけようもない素晴らしいエンディングで終わるわけですね。
ソテツをキーイメージにしたエンドクレジットの面白さも中々。
かえすがえすも、
何で夏に公開しなかったのか?
秋休みに観る映画ではないよこれは。
つーわけで、ガンバシリーズに触れたことのある人は必見!
賛否両論ある作品だと思うけど
観ない事には否定もできない!
お子様向けとしては、
原作本・アニメのDVDとセットでどうぞ!!