FILE-04【真相!トイレの花子さん】
2012/03/02発売
田代…撮れた?もういいよ、止めて……
工藤のもとに届いた一本の投降映像。
そこには廃学校の内部が映っていた。投稿者の二人の女性は、自分たちの出身校をふと思い立って撮影しに来たのである。そんな中、花子さんの噂を思い出した投稿者は、トイレに向かう。
だが、そこでカメラに映ったものは…
そして現場に向かった工藤達。だが……
評価:
POV映画の傑作!
コワすぎ!の1~3が嫌いな人、多くて面倒だなと思ってる人、今までそんなに面白くなったなと思ってる人。
お願いだから今作までは観てください!
世界的に見ても、多分、今まで出てこなかった表現が後半出てくるんですよ!
それはずばり、
POVでのタイムスリップだ。
勿論、映像的に凄まじいわけではない。緻密に打ち合わせをし、編集するポイントが絶妙なのである。
かつて押井守が「紅い眼鏡」だったか「トーキングヘッド」だったかのオーディオコメンタリーで
「ドアがあればなんとかなる」と言った。
要は「異なる二つシーン」を観客に違和感なく見せる編集を行うのには、「ドアを開ける」という動作を挟めばいいというわけである。
これをアメリカのPOV映画で最近観た。
「エビデンス/第六地区」である。
この作品は週末、ピクニックに来ていたティーンエイジャー達が謎の施設に迷い込み、とんでもない目に会うってものなんだけども、後半は怪物から逃げて逃げて逃げまくるのよ。
んで、
きったない家の地下室のドアを潜ると
コンクリ製の地下施設!
このSF的な、空間、世界観の
突然の拡大!この「突然」ってのがPOV映画において、物凄く重要なわけですね。POVってのは
我々に異常な状況を疑似体験させるっことが目的の撮影方法なんですな。だからして、出演者共々、我々もまごつかせ、それでも進まなければならない、っていう状況は
物凄い没入感を生むわけです。
さて今回の後半は、都市伝説の花子さんを、さっと
「異界へのゲート」と切って捨て、それを使って
時間を遡り脱出を試みるという展開になる。
タイムスリップを
シームレスに、しかも集団で、POVで見せるなんて、誰が想像できたろうか?
編集で見せる物は幾つかあったけど、
(疑似)ワンカットで見せるなんて……
ドア無しで、映ってる世界を無限の広がりに見せるアイディアの圧倒的勝利!!
12モンキーズが一番近いかな
しかもサブストーリーとして進行している
「心の問題」も、クライマックスに
「とんでもなく嫌な答え」を明示して終わるのだ。
更に、今まで、匂わすだけだった
「他作品への繋がり」。これを
明確に画面に出すのである!
蠢く霊体ミミズ!
いやさ、ヒルコと呼ぼうか!!
この異界の表現!
コマ数の少ないアニメ表現!!
いや、ココだけ見たら「ギャグ描写」なんだけど
「オカルト」のラストを知ってると、
笑いながらゾッとするんだよ!
というわけで、ここで、完全に「ノロイ」「オカルト」と繋げて見せることで、file02から立ち上り始めた、
「外敵」と「策謀者」の存在が補強され
更に最後の悲劇で
完全にモキュメンタリー要素は消え、工藤が主人公の伝奇ものへとシフトしてしまう
のでございますな。
ある意味、
最終回と第一話を同時にやってるわけです。
つーわけで、超お奨め!
勿論
欠点はかなりあるのだけれども
いや、時間は携帯でチェックを…
電池切れてんだよ、そういう事にしとけオラ!
実は友情を扱った「大林宣彦作品」や、藤子F先生へのオマージュとも取れる不思議な、当ブログ風に言えば、
スコシ・フシギ作品でもあります!
ちなみに管理人は大林作品が超苦手です