FILE-03【人喰い河童伝説】
2013/02/02発売
娘さん、生きてりゃいいな……
あらすじ
工藤不在の中、プロダクションに届いた投稿映像。
そこには、ある池で撮影された謎の影が映っていた。投稿者は現場にあった
胡瓜から河童ではないかと推測。現地に飛ぶ市川達。
近隣の農家の不審な態度。工藤の復帰と混乱が頂点に達した時、市川に何者かが迫る!
評価:途中までは平凡な出来なのだが……
河童である。なんというか、実に遠い存在だ。
そりゃ、うちの近所のどぶ川に胡瓜が吊るしてあったりしてですね、
地味に民間信仰は残っているのだとは思うんですけど、町おこし以外で河童なんて…ねえ?
しかも工藤は不在!っつーわけで市川と田代という地味な面子が地味な調査をするわけです。
コメントも地味
いやあ…思わせぶりな住人に怪しげな痕跡と手堅い展開。しかも
監督にツイッターで聞いたんですが
この池マジで人が死んでる場所
らしくてですね、なんかこう……
まずい場所だよな!ってのは伝わってくるんですよ。モキュメンタリーとしては良いぐあいの
ダラダラとした緊迫感
だけど、まあ、正直言って……
ってな風に思って
ってな風に思ってましたよ。
ところがねー……工藤の復帰で状況が動いて、
お、面白くなってきたねえ。こりゃみんなで河童を捕獲か、ウハウハ!なんて呑気に構えていたらですね
河童メッチャ速いでやんの!
いや、水中を自在に動くってのならわかるよ!普通ならCGで高速水泳河童さんを描くじゃない?
それがこの河童、
陸上を全力でダッシュしてきやがるんだよ!
河童の物理攻撃!
そ、そりゃ相撲取るんだから、ぶん殴ったり体当たりもできるけどさ
それを映像化しちゃうか…
と、驚く暇も与えず
怒涛の展開は続く。
謎の住人、正体発覚!
陰陽師でした。
震える幽霊に引き続き、
荒俣先生節またーも大全開ぃぃぃっ!
もう
こっちの脳みそが付いていけない地獄のような絵面
なんだこれなんだこれなんだこれ
呪術と陰陽道が手を取り、物理攻撃の河童に工藤も物理攻撃で応戦という日本では珍しいモンスター映画へと後半は変貌するのである!
しかも、
呪術でブーストした工藤は
河童より強えええええええええええええ!
これですよ!妖怪をぶん殴る!!
あなただって、小学生の時、休み時間に妖怪の本をみんなで読んで
こいつ、後ろに回って蹴り入れれば一発じゃね?
なんて思ったはずだ!
そんな
ガキの頃からのみんながもっていた夢をかなえる工藤!
すかさず投網を被せる工藤!!
そしてまさかの展開に全力で逃げ出す工藤!!!
…というわけで
終わってみれば、モンスターホラーとして大変出来の良い今回。
とはいえ文句なくお奨め!とはなりませぬ。
この話から、
工藤のキャラクターがかなり深い所まで描かれ始めるのでありまして
白石監督が「日本のXファイルを目指す」と言っていたのだけれど、その所為か
当初のモキュメンタリー臭さは大分薄くなってしまっているのですな。
これを良しとするかは好みの問題なのだが、私は
これはこれで…よし!
伝奇もの、として歩き始めたコワすぎ。
荒俣先生ファンだけでなく
諸星大二郎大先生ファンにも鑑賞をお奨めしたい!