史上最恐の劇場版
2014/05/03公開
運命に逆らえってな!
あらすじ
前回の最後で示された、訪れた人間全員が発狂するタタリ村。そこに乗りこむ工藤達だったが、
結果は最悪の中の最悪であった!
異常な事態の中、工藤達は今までの事件が一本の線に繋がっていくのを感じ、更に追及をするのだが、その果てに待っていたのは……
評価:傑作
いやー、凄い!
まずは中盤までのタタリ村の畳みかけるような超常現象の数々!
ネット由来の
もう完全に杉沢村的な場所!
飛んでくる生首!!
インドネシア映画か!
巨人!!
そして明かされる、とんでもない真実!
そうじゃねえか、そうじゃねえかと皆が予想していた工藤の過去。file01で
「俺の両親は殺されたんだよ」って台詞が出た時に真っ先に
これは工藤がやったな…
と思った人が私の他にも絶対いるはずだ。
というわけで、お見事。コワすぎの工藤の物語は
きっちりと終焉を迎えるのである。
キャラクターを暴走させる、というのは簡単に見えて難しい。しかも
シリーズ物なら難度は跳ね上がる。
話自体を破綻させることなく、それでいて観客に
「前より暴走してないだろ」と思われないようにしなければならないからだ。
コワすぎは「心霊もの」「Jホラー」の「お約束」を工藤の暴走を使って「ぶっ壊しながら」進んできた。そして、それは勿論
「超常現象のインフレ」を引き起こす。そして、工藤達はそれを「調査」するわけだから
「原因のインフレ」も加速する。今作で明らかになった実体は、それこそ、
ネットで囁かれる「陰謀論」そのもので、あまりにベタで、しかも途方もないものなのだ!
画面から漂う無力感!絶望感!ってか無理じゃねーのコレ!?
…という我々の、
「強大で理不尽な悪」に対するやるせなさを感じ取ったかのように、工藤の暴走は、
更に苛烈を極めていく。
そう、劇場版は、
今までで一番工藤が、熱く暴走するのだ!
拉致!
拷問!!
殺人!!!
あんたがやるんかい!
もう、
他にすることが見つからない!という所まで工藤というキャラクターを押し上げていくこの脚本の凄さ!
そして最後の最後に、
あそこに到達する構成の巧さ!
で、工藤が全てを出し切った所で
アレが来るわけです。
これだけ無茶苦茶でふざけてて、それでいて、
工藤にはこれしかない!って展開。
キャラクターの暴走を極限までぶっ飛ばして、寿命を全うさせる気持ちよさ。
素晴らしい!!!!
あの
投げやりだけど、今までの行動が全部凝縮された切ないけれどアホな台詞が書ける白石監督は天才ですよ!
しかも更に素晴らしいのは、工藤達の行動が、
恐らく敵方にとっては織り込み済みだった、という悲惨なラスト。
運命に逆らえってな
と言ったのにもかかわらず
運命通りに行動していた、ってなわけです。
要は、あそこであの爺が煽ったのも、ここまで全部織り込み済みだったっつーわけですな……
中盤までの、ネットで囁かれる廃村への調査という、もしかしたら
今までで一番身近な怪異の描写から、
今までの伏線の総まとめ。そして
工藤というダークヒーローを消失、そして唖然とするギャグすれすれの某作品へのオマージュな終末!
…そうかそうか!劇場版序章は何かに似てると思ったら
エヴァンゲリヲン破か!
んで、今回は
Qと!
というわけで
現実世界を崩壊させる80分弱!
必見!!!
個人的に大変ツボな小ネタは工藤に敬語になる物理学者ですね