バーサーカー 原題「Skinned Deep」2004米
きつねさんからリクエストをいただきました!
監督:ガブリエル・バータロス
主演:キャロライン・ブラント
共演:ワーウィック・デイヴィス
あらすじ!
田舎に行ったら
爺バイカーが仲間を殺されて
んで爺バイカーが恋愛をして
戦闘をして
……
あ、これはサブストーリーです。主人公は別にいます。
評価:
わっはっはっはっはっは!
以下、ネタバレありだけど
是非読んでいただきたい!
簡単に言いますれば、
ロブ・ゾンビのマーダー・ライドショー裏版という感じ。
マーダー・ライドショーの裏版って、と眉を顰める方がおられるかもしれないけども
ロードオブセイラムでも触れたけど、
ロブ・ゾンビの映画って何処までも行っても健全なんですよ。どんなに鬼畜で酷い事をやっても「安心して見れる」「あとくされが無い」「本気でトラウマになることはない」んです。
なんでかって―と、頭を使ってエンタメにしてるからで、独りよがりとか個性が先走っちゃったとか、そういうのが無い。ロブ・ゾンビは凄く頭の良い職人監督なんですね。
多分、
ジェームズ・ワンに凄く近いんですね。
で、今作。
まー、酷いもんですよ。
ダラダラして間延びした演出。
チープな特殊造形。
おっそろしいレベルの棒読み演技!
でもね
何と言いますか…それが全部味になって、プラスになってるという
かなり恐ろしい映画なんじゃねーのかな、と
演出、特殊造形、演技が酷ければ酷いほど
面白さが加速していく感じがするんですよ。
このバータロスって監督、
ものスゲエ狂人天才なんじゃねーかな?
つか、鑑賞している最中に、
この映画何処まで行くの?って途中から本気で心配になってくるのね。
そんな経験、
「クローン人間ブルース・リー」とこれくらいだよ!
心の名作!
で、まあ、それは偶然じゃない訳なんですよ。
意図的なんですよ。
そんな
欠点をプラスに変えてしまっている
監督が
意図して作り上げている部分を挙げていきますってーと……
1:異常な展開
この映画、まったく先が読めないんですよ。
基本は旅先で家族をぶち殺された女性が、逆襲する話なんですな。
割とよくある話でしょ。
ところが、そこに粗筋で紹介したサブストーリーの老人バイカー軍団の話が絡んでくるのね。
これが結構な尺だし、割と盛り上がるし、キチガイ一家と全面戦争になるしで
あれ主役誰だっけ?となるんすが
中盤から主人公の出番がぐっと増えるんですな。
で、何してるかってーと、
狂人一家に組み込まれそうになるのね。
というか
ブレインという純情ミュータントが主人公にぞっこんラブ!
こいつを見て平然としている一般人が多数いるのがまたすごい
なんか
屋外にデートに行ったりしてですね
ふつーに外じゃねーか!
そこで何故か唐突にブレインの妄想が突っ込まれたりしてですね
普通に暮らそうと言われ揺れるブレイン
そのシーンが多分
ゲリラ撮影なんじゃないかってのは、まあ良いとして
なんかブレイン君……
全裸なんですよ。
しかも
モザイク無し。
本気でビビッてよける通行人
ちなみにブレイン君は当たり前ですが主人公に
ぶち殺されるわけですが、
あのでかい頭の中は
空っぽで
何故か頭から出てくるパネル
LOVE
踏みつける主人公!
HATE
2:個性的すぎる面々
いやあ、うん、こういう映画は
パッと見ですぐに覚えられる外見が重要なわけでして
で、あるからして
まあ、ここら辺の
敵一家のビジュアルは普通に良いんですよ。
キャラづけもちゃんと悪役で、変な言い方だけど、
基本に忠実な誠実なキャラなんですよ。
問題はそれ以外の登場人物たちのキャラづけでさ
主人公の両親にしても、
誰がどーみても異常な状況で「のほほーん」としてたり
バイカー軍団にしても、
一人を抜かして戦闘力は皆無なのに、なんか強気だったり
そして、プレートとタイマンするバイカー軍団の切り札、
最強の爺様は
80越え確実な外見なのに、
最終的にキチガイ一家の一人の首を引きちぎって、近くのハイウェイまで蹴り飛ばし、ババアとキスして颯爽と映画から退場していくという活躍っぷり。
化物より化け物じゃねーか!!
W・デイビスvs老人という、何かツッコみにくい凄味!
更にはキチガイ一家が、
ミュータントだった!
は、まあ良しとしましょう。
だけど、そいつらを産み出していたのが
*忠実です
……あの、
股間にダイナマイト!って書いたキャラって、多分
俺の映画人生の中で初で
めくったら、本当にダイナマイトがぶらさがっているってのも
シュールってよりも、もう芸術だよね!
と
自分を無理に納得させるしかない状況で
ちなみにこいつ頭が無いんだけど、多分外部接続された何かを使って喋り
更には隙あらば
ボディビルのポーズを決めているというね……
登場人物にキャラづけをしなさいと言われた小学生が考えたような
映画のバランスとか完全無視の
凶悪すぎる存在です。
3:エンドクレジット
えー、そこに至る過程はホラーの定番でございまして、まあ、直前まで
2分に1回はツッコミを入れていたので
ヘロヘロでございましたから
「ああ、普通に終わった。終わりよければすべてよし。なんだかんだで…そう、普通のコメディホラーだったよな……」
と思っていたら
主人公の悲鳴!
ずっと悲鳴!!
エンドロール、ずっと主人公の悲鳴!
ミストで、エンドロールに音楽を入れず、ひたすらにヘリとか戦車の音を入れ、絶望に目を瞑った主人公と同じ感覚を疑似体験させるって趣向がありましたが、
こっちは、
一体何を感じればいいというのか。
しかも
無理やり悲鳴を出してます感が途中から強くなってきたりして、
「俺の負けだ……」と
深く深く心に刻まされるのでございますな。
というわけで、ですね
うちのブログに何度も足を運んでくださってる、お好きなかた達のみにお薦め!
ハマる人はドハマリする、カルトホラーと言っても良いと思う作品です。