ゴースト・フライト407便 原題「407 Dark Flight 3D」2012泰国
監督:イサラ・ナーディ
主演:マーシャ・ワタナパーニット
共演:ピーター・ナイト
ティーチ・ヴェチャブル
パッチャリー・タブトーン
以下ネタバレにつき御注意
アラスジ!
主人公CAのネウさんは
何やら過去に色々あったらしく
久々に現場復帰のご様子
そんな彼女にお熱の整備員バンクさん
彼女がこれから乗る407便の整備を終え
同僚とアホ話で盛り上がる。
さて帰るべか、と思っていると何やら機体の中から
妙な物音が…あれえ?と思って中に入ると
得体のしれない影を目撃。直後に閉じ込められてしまう。
一方、機内のファーストクラスは
心臓疾患のばあさんがハァハァ言い
ドレッドヘア君が香港の女の子に声をかけようかと悶々とし
おかまのCAプリンスがわっかりやす~いおかまの動きでうねうねしてた
スゲーいいキャラw
あ、忘れてましたがもう一人の主人公がおりまして
彼女は高校生のギフトちゃんと言います
ギフトちゃん、割と好み
のっけから
ラジコン飛行機を動かし、
フライトシュミレーターゲームを
やりまくる彼女。父親は気弱そうな眼鏡。母親は弩級戦艦といった感じで
わっかりやすく母親に反発してます
で、まー飛行機が飛ぶんですが、
出ますよ幽霊が!
怖いね!
で、こいつらが人に憑りついて
首を一回転させたりするんすけど
科学者から宗教に走った坊主曰く
「幽霊ってのはエネルギーの一種だから
直接人に危害は加えられないんだ」
た、たしかに首が一回転した人、その後ぴんぴんしてたな…
と、こちらが眉をひそめる中、幽霊は
どかどか怪奇現象を起こしまくる
で、主に
狂ったドレッド君とギフトママが人を殺しまくる!
ちなみに幽霊は
こんなのや
袋マン
こんなのや
呪怨くん
こんなー…
ま、まあ、ともかくあれだ、墜落の危機だ!
何故なら幽霊がこういうことをしていたからです
で、後半コクピットに突入するとこんな感じです
*機長死んでます
うん、こいつら危害加えられるよね
評価:
頑張ったら、明後日の方に着地して、
しかもドヤ顔をしているこの感じ…嫌いになれない!
…というわけで結論から書きますけど
この映画、サービスが過剰すぎるんです。
ホラーとして目指す所はしっかりしていたんだけど
あまりにお客を意識しすぎて、娯楽に徹してしまっている
最終目標は実は
「たたり」なんです
でもそこに
「超音速漂流」+
「呪怨」+
「スラッシャー映画」+
「3D」と
これでもかこれでもか
これでもか!!!
とぶち込んだ結果
漫画に出てくる闇鍋みたいな
実写にすると困っちゃうものができあがってしまっていてですね
それはそれで
味があるんだけど
「ホラーを見るつもりでいるこっち側のテンション」+
「しっとりとしたラスト」でもう
どうしたらいいのか…
アイディアは良いんです
LCC、つまり
格安航空会社が
事件が起きた機体を再塗装して使いまわしている内に
地縛霊が溜まってしまい、空飛ぶ幽霊屋敷になってしまった、と
で、過去それに乗って生還した主人公が、
封印した過去と向き合って、真実を知ると
実は生き残るために殺人を犯し、それを無理やり忘れていた、と
だからして、とりこまれてしまった
最後の表情はどこか安らかにも見える……
ね?ベタネタと時事ネタの融合で面白そうじゃない?
実際ラスト周りはいいと思うし、導入もかなり面白そうなの
でも実際怪奇現象が起き始めると、前述通りの
大サービスの嵐
しかもそれが
雑なんだよね
ジャンプカットの多用に、
設定のずさんさ
たたりの路線を狙ってるのに、幽霊が人の形を取って出てくるわ
配電盤やら空調装置を故障させるわ、機長を目隠しするわで
人に憑りついて同士討ちさせなくても、危うく全滅状態なのよ
んで、ファーストクラスのお客たちが主人公なんだけど
後ろのビジネスクラスの客達、首を一回転させたおっさんとかが
途中でいなくなっちゃう!
気持ちはわかるが、そりゃないだろ~
あと、この現象自体はネウさんが乗らなくても
延々と今まで続いてきたんだよね?
無理がありすぎる(涙
出てきた幽霊たちが全員犠牲者なら
人死にすぎだろ(涙涙
何映画なんだよこれ?
まあ、どうせなら上みたいな絵面だすくらいなら
もっと開き直って、空にでっかい親玉みたいなのがいてさ
そいつが元凶で、ネルさんがそれと刺し違えるとか
そこまで娯楽に走ろうよ!
そこで、うしとらの衾ですよ
お化けに拘ってるから、余計に不自然になるっていう
なんだかわけわかんないことになっちゃってるよ!!
つーわけで、同じタイホラーなら
心霊写真ってすげえのがありましたが
あれ級のを期待してはダメ
パン兄弟のシリーズとかの方が怖いくらいです
とはいえ、いい加減とかそういうのじゃなくてね
この映画、見ればわかるんですが、
すごく真面目なんですね
馬鹿やってるシーンも一生懸命やってる
だからバカになりきれてない
そして
勢いよく怖がらせようとし、次のシーンではしっとりと怖がらせようとする
結果、騒いでるだけの映画になってしまっているのは残念な所
元ネタは
「たたり」及び、
アメリカのテレビ映画で機長の幽霊が出てくる奴があったと思うんですが、そこら辺ですかね。
あれはパーツを流用したら化けて出た、って感じだと思いましたが
そういう、怪談の肝である
根源描写
が無いのが最大の問題でしょうかね
*一応最初の事件じゃないかなって幻想シーンはあるが明言されてないし
それが本編の怪奇現象の説明になってないから、ないのと一緒ですわな
暇なら見ても、損した、とは思わないかも…