フランチェスカ FRANCESCA 2015伊/亜
監督:ルチアーノ・オネッティ
主演:ルイス・エミリオ・ロドリゲス
グスターボ・ダレッサンドロ
粗筋!
街の中で発見された無残な死体。
その死体を運んだのは
真っ赤なコートを着た女だという。
捜査を始めたブルーノ警部補とベニート巡査。
やがて彼らの前に、15年前の少女失踪事件が現われる。
その少女は
フランチェスカという名前だった……
評価:
個人的には大変好き
以下、微妙にネタバレ&他のあるジャーロ映画のネタバレありにつき御注意!
純度100%のジャーロ映画の
新作です。
こう言っただけで、判る人には判ると思いますが
ジャーロ映画ってのはイタリア辺りのスリラー映画のジャンルでして
まあ、色々と定義があるんですが、個人的な見解としては
嘘、大袈裟、紛らわしい
という某広告審査機構のキャッチフレーズのような所が売りでして
推理不能!
思わせぶりな映像と音楽!
スタイリッシュの様な感じがする、ぎらついた映像!
という非常に混沌とした映像がもろもろと流れるわけでございます。
(とはいえ、私もジャーロ映画は10本くらいしか観てないんですが…
つーわけで、フランチェスカです。
いや、これは凄い。
上記の条件が全部そろっている!
ってかそれしかない!
開幕三秒でいきなり子守唄!
正確に言うと童謡です
思わせぶりな小物をマジで
嫌になるくらい長々と延々と映す!
勿論映してる間は童謡かぎらついた音楽だ
黒コートに黒手袋…と思わせて
赤コートに赤手袋
それが彩度をいじった
ざらざらした画面の中で異様に浮かび上がる!!
ひゃーっ、ザイゴー!!
いやお話自体は普通なんですよ。
殺人があって、
探っていったら意外な犯人。
で、実の所、
ゴアシーンも殆ど無い。
殺人シーンは懐かしき
70年代の残酷さ。
あの時代の
この程度は許されるかな?と
今見ると微笑ましい冒険が垣間見える残酷さ。
押し付ける為だけに出てきた最高のスチームアイロン!
で、前述の要素のみに特化したために
バランスメチャクチャ!
映画っつーより、
ジャーロっぽい映像集なんだよこれ。
だからして終わった後に吹き荒れる「だから、どうした」感が凄いんだけど
私としては、
そういうのが好きで好きでたまらないので、
至福の時間でしたね。
映画はお祭りであり、見世物であるならば、
ジャーロ映画は極めて王道の映画だと思うわけでして、この映画はそれに対する
ファンレターみたいなもの…というのは言い過ぎですかね?
というわけで、普通の犯罪映画とかスリラー映画を期待してみると
ちょっと違う感じなんだけど
ジャーロ映画好きは必見じゃないかなあ。
つーわけで、条件付きでお薦め!
ちなみにアルジェント御大のスリープレスって言う大変面白いジャーロ映画があるんですが
これまた素晴らしい作品なんだけど、なんつーか一般の人が見たら激怒するような代物でして
ジャーロ好きで見てないって人がいたら…いやいないかw
まあ、ともかく見てほしい逸品です。
以下
スリープレスで俺が脱力しながらも感心し、大笑いしたシーン
ラストも含めてネタバレ注意
冒頭、殺人鬼に追われる女性!
走行中の普通列車なのに殺人鬼先回り!
ラスト、殺人鬼得意げに自分の素晴らしさを演説 !
殺人鬼、刑事に窓越しに撃たれ死亡!
主人公なにもしません!!
警察の地道な捜査が実を結んだのです!!!
当時は本気で吃驚しました(遠い目