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倉林のはらわた

映画の感想などをぽつりぽつりと語るアレなブログです。 ホラーとかアレな映画中心でございます。 メイトリックスも笑うでしょうなあ。 あとまー、ないと思うんですが ここに載ってる絵は無断転載禁止で一つよろしく。 なお、版権著作権等を鑑み、お手本無しのあやふやな記憶で 描かれた絵なので、似てないことこの上ないです。 …まあ、絵心が無いだけなんですがねwww

キョンシー

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キョンシー

キョンシー 原題「Geung si」「RIGOR MORTIS」(死後硬直)2013港
監督:ジュノ・マック
プロデューサー:清水崇
主演:チン・シュウホウ
共演:アンソニー・チェン
チャン・ファット
リチャード・ン
ラム・チェンイン(写真のみ(ああ、若すぎる死…
ビリー・ラウ
以上、霊幻道士シリーズの出演者!

あらすじ
かつては高名であった俳優、チン・シュウホンは
家庭の悩みを抱え、落ちぶれていた。
彼は、かつてあれほど嫌った貧民街の暮らしに逆戻り
おんぼろ巨大マンションの一室を借りると、携帯電話を耳に当てる。
そこから流れる男の声。
「パパ、いつ戻ってくるの?また腕に時計を描いて!」
聞き終わったチンは
首に縄を描けると、脚立を蹴とばした…

評価:俺の好きな要素しかない!

以下完全ネタバレにつき、できることなら観てから見てね!

霊幻道士シリーズを見たのはかなり昔の事で
俺は実はあまり乗れなかった人なのだ。
とはいえ魅力的な部分も多く、例えばガジェット
札や八卦鏡、もち米に墨。
これにカンフー的な動きが加わった一連のアクションは
とても素晴らしく、幽霊を「物理攻撃」を交えて
退散させるって発想は、非常に漫画的
80年代以降の退魔物っていったら、必ずこの映画の影が見え隠れする
と個人的には思っている。

つっても、大ヒットしちゃったから、まあ、続編が出るわ出るわで
4作目くらいまでは観た気がするけど、以降はさて…と言った塩梅である
これは観た

さて、そんな俺なので「霊幻道士のリブート」という企画を聞いても
「はあ、そうっすか」
な状態なわけで、実際、レンタルが5本で1000円だからそれの穴埋めとして
本作を借りたのだが……

すんませんでしたあああ!!!

これ大傑作ですよぉぉぉおおおおおっ!!!

上記の粗筋で主人公が首を吊った直後にー…


体が震えた!

俺が霊幻道士を見たのは子供の頃だ。
で、それから色々な知識や経験を経てくると
この「物理攻撃」+「風水・妖術」という組み合わせ
もう無茶苦茶カッコいい!!
特に中盤の双子の悪霊を相手にする時の墨壺を使った連携攻撃!
超伸ばしてえ!
クライマックスの廊下に結界を張るアレ!!
イカシすぎる!
八卦路で刻々と変わる結界と化した廊下での肉弾戦!
更にはあのオリジナルの容姿から100万光年離れた邪悪すぎるキョンシー!



これだけでも鼻血もんだが、この映画はそこで終わらない。
実はかなりのとんでもないグロ描写があるのだ!
それがこのシーン
ここ、怖いって!メチャクチャ嫌だってば

大友克洋という作家がいる。
言わずと知れた「AKIRA」の人。
だけど俺は「AKIRA」が合わなかった。作画の凄さは唸るけど
それ以上の物は何も感じなかったのだ。
ところが、もう一種類ぐらい短めのを読んでおくかと手に取った本に
やられてしまった
「童夢」である。
「童夢」は自殺が相次ぐ団地が舞台のSFホラーでありまして
まあ、色々と割愛するんだけど、この作中の強烈なシーンの一つに
どう見ても作者本人っぽい予備校生が
木っ端微塵に弾ける
っていうシーンがあるのよ。
これ、後になって「誰が木っ端微塵にしたか」を遠まわしに言ってて
嫌さ倍増なんだけど、このシーンが秀逸なのは
その最中を一切見せないって所。
事後を見せるわけ。
団地の廊下一面が血しぶきで
グチャグチャになってるのよ

こんなん

で、キョンシーに戻る。
この映画、俺が気に入った所の一つに
「子供に容赦しない」ってのがありまして
俺自身、子供が死ぬを観たいってわけじゃないんだけど
「怪物が子供に手加減する」ってのは絶対に見たくないのよ。
だから、デル・トロが「童夢」を映画化するって聞いた時は

と思ったんだけど(今は企画が凍結中なんだっけ?
この映画は、それをやってのけたの
しかも

「童夢」と同じ方法で

もうね、その前後のシーンでさ、相当重いことになってんのよ
んで、それをやっちゃう敵役の狂気っていうかさ
あの

もう、これだけで、相当怖いんだよ!
ご飯三杯いける怖さ
ところがこの映画更に畳み掛けてくる!


んで、後で登場人物が来てみると

もうグッチャグチャ
更に更に……

い、いや、参りました…
髪の毛は想定内だったけど……脳みそって…
しかも、他の肉片が無いって……

俺はファントムメナスを見て「ライトセーバーって人殺しの道具なんだ!」と納得し、
T4を見て「T-800スケルトンって、殺人マシーンなんだ!」と納得したんだけど
この映画を見て
「そうだよ、キョンシーって人の生き血を吸うんだよな。
化け物なん
だよ!」と納得できた。

でね、その辺りで
あれ?これって「童夢」の映画なんじゃね?
舞台もほぼ同じだし…なんて考えてると
登場人物の一人がキョンシーと向かい合うワンシーン
これが「童夢」のヨっちゃんとベビーカーの女の対峙シーンに見えちゃってさ!
いや、その後の落下も含めてこれはそういうオマージュなんじゃね?

やってくれたよ、清水崇!

可能性は60%ですかね

つーわけで一端〆
陰鬱で残酷なデル・トロタッチなのに全員アジア人で
かぎりなく童夢臭が漂う、霊幻道士(鬱)という
珍しい映画。お暇なら是非!!

以下、エンディングに関して一くさり
妄想度がかなり高いいつもの奴なんで
正常な人間は見ちゃいけない!




























はい、えー、実の所、私が一番感心したのが
エンディングです。
正確に言うと、あのエンディングに到達するために
誠実に、それでいてエンタメをちゃんとしているこの脚本に
物凄く感心したんです。
この映画のエンディング
「首つりで死の間際に見た幻覚」は一見すると反則オチなんだけど
この映画は、そこから数歩先を行っていると思うのね。

俺の個人的な解釈だと、この映画
「死んでから、あの世に行くまでの清算の時間」
描いたものなんじゃねーのかな、と

ラストで実は今までの登場人物は
主人公が部屋に行くまでに見かけた人たちで、
それを登場人物として、映画のように演じさせていた、と。
そうすっと、検視官が悪の道士として出てくるのに矛盾が出る
だからして、あの死体に魂は残っていたのではないかな、と。

天国に行くのか地獄に行くのかは知らないが、人は死んだ後、何処かに行く。
その為には、執着や未練を清算しなければならない
そのチャンスは誰にでも与えられるけど、失敗もする。

そして清算とは、自分と向き合うということなのだと。

だから、この映画の主要登場人物は
実は全員主人公の想いだったり
未練だったりする
のだ。
判りやすい所で言えば、主人公を助ける道士。
彼は「父親が帰ってこなかった」過去を持つ。
つまり、主人公の元を離れていってしまった息子の成長した姿なのだ。
息子がおっさんで出てくるのかと思いになるかもしれないが
そこが悲しいところで、多分主人公、もうずっと息子に会えていない
だから、部屋に入ってきた子供に何とも言えない表情をしたりする。

この主人公が、過去何故手首を切ったのか?
離婚の直接原因は何だったのかは、映画を見て推測するしかない。
でも、最後に魂の無い空っぽのキョンシー双子の幽霊が入り込み
最悪の暴力を振りまくるって辺りを考えるに
中盤で明かされる、
双子の幽霊の過去話は主人公が体験したことなのだろう。
そしてそれは、彼の人生をどん底まで落とすきっかけだったのだろう。
そのキョンシー共々落下し、全員が死んでいく。
その刹那、術がようやく成功しキョンシーが正気にかえる
いや、狂気が、過去が死んでいき
正気に返った
とみるべきだ。
 ここが一番泣ける
つまり主人公はあの瞬間、清算が終わったのだ

だから、ラストで現世から消えゆく主人公には
ようやく会えた息子の顔はぼやけてしか見えなかったのだと思う。


終わった後に、台詞の一つ一つが心に沁みてくる
素晴らしい映画だと思う。
そして、今現在でも、キョンシーはいるのだ。
それと相対する、道士もいるのだ。
我々の心の中に、正と邪
陰と陽としてあり続け闘っているのだ、と
ロマンチックに謳った映画でもあると思う。

超お勧め!

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性別:
男性
趣味:
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2014/05/12~ *PCからのアクセスのみカウントできるらしいので 実質大体倍くらいっす

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