エリア0 原題「Alien Abduction」2014米
監督:マッティ・ベッカーマン
主演:コリー・アイド
共演:キャサリン・ジギスムンド
ライリー・ポランスキー
ジリアン・クレア
ピーター・ホーデン
ちなみに役名は上から
コリー
ケイティ(キャサリンの略語っすね)
ライリー
ジリアン
ピーターだ!
以下、ネタバレにつき
第三種接近遭遇!
あらすじ
モリス一家はブラウン山にキャンプに来た!
ここは
怪光がしばしば目撃されるアレな場所である!
一家はその夜、いきなり怪光目撃!!
そこはアメリカ人、
気味悪いわね、とか、
なんじゃろあれ?ってな感じで
近くのマッポに駆けこむこともなく次のキャンプ地へと移動!
ところが
ナビ子ちゃんの調子がおかしい!!
そんな日本怪談が脳裏によぎるが、
まあそんな感じで
山奥にて迷子!
ついでに
ガス欠寸前、夫婦喧嘩もおっぱじまった!
そんな様子を
カメラを通して出ないと人と接触できない主人公コリー君は
淡々と撮影していくのでありました。
しかし、目の前に次々と乗り捨てられた車が現れ
そしてー……
評価:
冒頭から30分くらいまでは神作!でもその後が……
惜しい!ともかく惜しい!
トンネルにて着ぐるみ感満載の宇宙人に遭遇し
命からがら逃げだす…
そこまでは本当に面白い!
つけっぱなしのラジオに、
転がったベビーチェア!
これ一発だけで観て良かったと思わされた
何台もの車のドアが開けっ放しになって放置!
そして
トンネルの向こうの陽光に浮かび上がる
あのシルエット…
うおおおおっこいつは傑作の予感がああああっ……
真昼間にアブダクト!!
いやっはーーーっ!!!!
これだ!これが観たかったーっ!!!!!
なのに…ああ、そこまでは本当に面白いのに
なーんでこうなっちゃうわけ?
数ある宇宙人物にオマージュを捧げたくなる気持ちはわかるけど
小屋行っちゃうかぁ……
隙間がいっぱいある納屋行っちゃうかあ……
POVであること、を最大限利用した宇宙人遭遇譚で
タイトルがタイトルなだけに、もーわかんでしょ?とばかりに
冒頭から今後の展開が丸わかりな映像から始まるんだけど
残念ながら、
POV宇宙人襲撃は
V/H/Sネクストレベルがやっちゃってるんだよ…
しかもあっちは
30分もないのに、今作の展開がほぼ入っていてですね
(
しかもラスト後味の悪さはV/H/Sネクストレベルの方が上だ)
しかもしかも、V/H/Sの方は
いきなり家の中にずかずか入ってくる怖さが加味されていて
あのいきなり掴みかかってくるところはヒエッって声が出たぐらいなんだけど
こっちはそういうの
ぜーんぜんなし
まっっっったく、怖くないのだ
大体にしてですね、
第三種接近遭遇物は映画としていくらでもあるし
いざその場面になったら、大体は
疑似POVっぽくなるんだよね。
横から映すのは未知との遭遇ぐらいかな?
それは、なんでかっつーと私の考えでは
接近遭遇物って
SFともホラーとも微妙に違う
「リアリティ」が必要であって、それがないと
宇宙人が
ただのモンスターになっちまうわけでして
エイリアンってモンスター
じゃなくて
エイリアンって宇宙人を描かなけりゃならないわけです
人間ではないし、悪魔でもない。でも話は通じない。
これって
意外に難しくてですね、
普通の映画は誤魔化すんですよ
ところがこの映画は、接近遭遇に拘りすぎて
そーいう意識ゼロ
結果として
POVでなくてもいい
接近遭遇物でなくてもいい
モンスター映画になって行ってしまう…
つーわけで、この映画の中盤以降は
どっかで観たような映像と展開が延々と続きます
宇宙人に襲われて山小屋に逃げて、
入ってきたから地下に逃げて
いなくなったから外に逃げて、
やばいんで納屋に入って
ひたすら逃げて、最後に捕まります
コーラを飲んだらゲップが
出るくらい確実な展開っ
ハーミットパープル部長
かなり厳しい……
Xファイルにどっぷりはまっていた俺としては
もう、見飽きた展開しかねえ……
我々にも宇宙人による接近遭遇を体感してほしい!ってんなら
奇妙な話だけど、
もっと全然違う展開にしないといけない
リアルさを出すのが
効果的じゃない場合もあるんだわな
ぶっちゃけ
「この山に行かなきゃよくね?」という
見も蓋もない感想しか出てこないのであります。
それじゃあ、
体感型映画としてはダメなんだよ
ヤバいものを観ちまったっ
て余波がこっちに来ないんだよ!
ブレアウィッチは優秀だった
見せ場の背骨ボキーッは初見時は
「おおっ!」と思ったけど
二回目以降は飽きたし、なんか、
登場人物が捕まりに行ってるようでどうにも…
特におかんの捕まり方は酷過ぎる
全力で、お笑いなしでやってみた
っていうのは、成程筋が通ってるし、骨太な考え方とは思うけど
それと
映画の面白さは別だと思う
「捕獲」と
「回収」を分けて、それをラストの
「帰還」に繋げたのは
巧いけど、だったら
解放された主人公も見せないと判りにくい
いっそのこと
「フォースカインド」みたいな映画にしちゃったほうが
よっぽど
リアル…
最高!
超最高!!
いやリアルじゃないけど、面白かったんじゃなかろうか?
例えば、冒頭は素っ裸の少年が保護されたところから初めて
↓
レントゲン写真
↓
体の中に隠したメモリーカードが!
↓
で、本編が始まる…
とかね。
で、本編終って、勿論医師宅にも侵入者が現れて
「回収」はやばいんで家の中で粘って
「捕獲」の方を選ぶ……んだが
ここで屋根が吹き飛んで
フォーゴットン!
医師は下からのアングルで
背骨ぼきーッ
とかさ……
ちなみに、最近、
「ダークスカイ」という、これまた良くできた
接近遭遇ホラーがあったりする。
こっちの後味の悪さも
極上だ
つーわけで宇宙人映画、しかも悪ふざけ無しが好きなかたは
お暇な時にどうぞ…とはいえ、
宇宙人の造形が
狙ってるのかってレベルなんで、微妙なんだよなあ…
現場では怖かったんだろうな。でも映像では…
ただ、
冒頭30分
いや、
トンネル入口からの五分間は
本当に見たこともないヤバい雰囲気の映像になっているんで
そこまではしっかり観て…
あとは惰性で(涙