あらすじ（嘘あり）：
民間セキュリティ会社のスタさんは、今日も今日とて勝手に収監されては脱獄し
「ドヤァ」という顔でドノフリオと共に所長に説教。
「この刑務所は隙だらけだな。俺の本を読めば大丈夫だ！」と言ったか言わないかは忘れたが
そんな感じで同僚とよろしくやって翌朝出社すると、妙な依頼が舞い込む。
ハイテク刑務所に粗が無いか見てよ、とのこと。
胡散臭さ丸出しのドノフリオが「やれ！やってよ！たのんますよ！」と煽り
同僚の黒人は「やばいっすよ先輩！あとさっきのパズルは無しね」と心配な様子。
しかし依頼されたからには引くわけにはいかない。
何故なら
俺はスタローンだから！
というわけで仕事を引き受けたが
いきなり注射は撃たれるわ
発信機は壊されるわ
ヴィニー・ジョーンズが一人ぶっ殺すわでさあ大変！
スタさんはハイテク刑務所を脱走できるのか!?
刑務所の場所はＣＭでネタバレだ！
一番盛り上がる所なのにな!!
ちなみにシュワさんはインテリ囚人です
ミスキャストじゃね？
評価：シュワとスタさんファンで、お暇な人なら！
感想
スタとシュワ夢の（ちゃんとした）共演！と聞いたからには見に行かざるを得ない！
そんなわけでベネット顔で観に行ったわけですが
（言い忘れてましたが、このブログはコマンドーを見ている前提で書かれております）
ま～……野暮ったい映画でした。そりゃアメリカでこけるわな……
いや、パーツはいいんだ。
脱走のプロが自分で書いた本を参考にした刑務所にぶち込まれる、とか
所長が囚人を収集品として見ている、とかさ（浅いんだけどね）
でもねえ…ともかくもたつく
暴投の脱獄シーンからして、もうちっと演出でテキパキ見せられるはず
ぶっちゃけあそこで
「こりゃ、あかんでえ」
って空気が漂ってきてますな
そこから依頼→投獄→調査→脱走なんだけど、これがちっとも盛り上がらない
疑似収監とはいえ刑務所物なのに、ずっっっっっとシュワちゃんと会話してるから
まー、世界観が狭い狭い。更に会話が一々説明的で、洒落てないんで割と苦痛
世界観と言えば、この「墓場」と呼ばれる刑務所のバックボーンも今一見えてこない。
誰が何のために、どういう経緯で、
どの程度のバックがついていて経営されているのか
ちっとも見えてこないのよ。なんか軍人がうんたらとか言ってたが
「で、なんなんだよ？」ってなもんです
だから最後の脱走シーンで看守をどかどか殺すんだけど、こっちとしては
「…殺人やん」としか思えなくてですね
こっちはちっとも盛り上がらないのよ。爆発しとけばいいんだろ的な80年代発想は
「嘘くさくてもいい、絶対的正義」
がなくちゃ成り立たないと思うんだがなあ……
役者陣は皆さん好演。
ジム・カヴィーゼル（パッション！）のサイコ所長に
ヴィーニー・ジョーンズ（ミッドナイトミートトレイン最高！）の凶悪看守。
ファラン・タヒール（アイアンマンの10リングの頭目）演ずる囚人。
サム・ニール（マウスオブマッドネス！）の医者！
（…そっち方面の役者ばっかりなので絶頂状態のベネット）
でも、実にもったいない…サム・ニールなど拘束一日で撮ったんじゃないかと思えるくらいの脇役っぷり
ジム・カヴィーゼルとヴィーニーさん、ファラン氏は美味しいっちゃ美味しいけど
そう、例えばジム・カヴィーゼルを超金持ちにしてさ、コレクター感覚で凶悪犯を集めてて
その虫かごを「凄いのできたろ？」って無邪気にスタさんに自慢するとかさ
ヴィーニーも「多分元軍人」なんだろうけどさ
（まあ、それにしちゃ通路で固まって銃撃戦
やってる看守が多くてガッカリなんだが…）
ファランさんもこの刑務所上がりの私兵にして
最後ああいう風にすれば盛り上がるだろうにね…
要は、脚本のブラッシュアップがなってないと思うのよ。
それが全てです。間延びした、緊迫感のない、凡庸なアクション映画なんです。
パーツはいいんだけど、それの突き詰めが足りない。
見ているが側が「こうした方が良いんじゃねえの？」と思われたら映画は終わりですぜ？
この内容なら30分は削れると思うしね
アクション映画はマイケル・ベイ以外は
短くするべきだという世間の不文律を知らんのかね、関係者は！
トランスフォーマーみたく突き詰めた要素を過剰に突っ込むくらいの
馬鹿さがハリウッド80年代アクション映画だと思ってたんだがなー…
スタさん映画ならロックアップを見た方がましです。あっちはスポ根モノとして良作ですぜ
でもまー、シュワとスタのファンとしては、二人がムホムホしてるだけでほっこりしちまうんで
ソフト化されたらまた見ちゃうんですけどね
シュワがどかどか銃を撃ちだすと、「いかん面白い！」と思ってしまうファンの悲しさです。
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