多分高校生デビット君は彼女であるジルさんの
フェンシングの試合を見物。
フェンシングのマスクをつけますってーと、どっちがどっちだか
わかんね~なってな感じだが、まあともかく彼女に会いに行こう!と
控室に急ぐと、お!愛しいジルが水飲んでるよ~…と声をかけたら
あらら、君はジルの対戦相手の~…
…というわけでデビット君は彼女にフラれた!
フェイスブックもブロックされた!
絶縁!!
神よ!だが、悶えるデビットの横で友人テディは割とお気楽だった!
>ま、しゃーねーよ。変化の年だしな。それよりパーティ行こうぜ!
パーティなぞいってる場合かーっ!
>あ!結局来ちゃったけど、ジルがいる!
そんな中、近所に隕石が墜落した!
パーティ中のデビットたちの目の前に数分前の自分たちが出現!
ドッペルゲンガー?
>違う!
>これは俺達だ!
>例えるなら、テレビを録画してずらして再生している感じ!
>しかも、ドンドン実時間に近づいてきているぞー!
>どうするジョジョ!
>彼女との仲を修正してこよう
評価:
こりゃ面白い!
ポーの短編「ウィリアム・ウィルソン」でおなじみ
今まで何度も映像化されてきた、ちょっと手あかのついた
自分と向き合う映画…
に見せかけた捻ったタイムスリップもの!
に見せかけた、えーと、
バタフライエフェクトっぽい映画!!
この映画の設定は、目の前に
『ずれた時間の自分たち』が現れるのだけど
これが幻覚とか、コピーではなく、本当にずれた自分たちなのである。
だから
普通の人間と同じく干渉ができる。
タイムスリップ無しでタイムスリップしたのと同じ事ができる…
のだけども、やがて『ずれた自分たち』は消え
数分後に、
『今を起点にして再び現れる』のである。
しかも
『どんどん出現する期間が狭まってくる』とどうなるか?
そう、
それに気づいて、動揺している自分が出現してしまうのだ!
これが集団で騒いでる連中に降りかかったらどうなるか!?
ドッペルゲンガー映画ってのは、最終的に自分と向き合って
和解か、闘争になるわけでして、これをそれは
「ちゃんとした理由」をつけて「集団でやってのけた」のである。
こういう状況を想像すると笑えるで
これだけでもドッペルさん映画としては異例中の異例!
しかも更に
嫌な設定が実は一つつく!
一度分身が消えて、再び現れる時
仮に片方が死んでいる場合
『死んでいる方が消え、ちょっと前の自分』が現れるのである!
な、なんちゅー嫌な話だ……
だけど
主人公がヒロインをぶっ殺して
『一つ前の選択肢に戻る』という
『未来を見すえた行為』は
成程、
『先を見ない主人公』から確かに成長している事を見せる
最良の見せ方でありましてですね…いやあ……
やっと出たギャルゲーの忠実な実写化でもあるわけだ
しかも更に、更にだ!これは確信が無くて妄想に近いんだけど
もしかしたら現象が終わった時点で、
ドッペルさん達の記憶って
今いる自分と共有されてないか、これ!?
と、するとならですね、探偵役のアリソンちゃんの
ラストの笑顔とか
殺し合いが終わった後の
「…でもどっちだ?」って台詞が滅茶苦茶怖いんですよ……
ああ、えっと映画自体の話をすっと
基本はテンションの高い、アホな高校生のバカ騒ぎ映画
世界が滅茶苦茶になりかねない異常な状況でも
腐心するのは目の前の出来事って辺りがリアルと言えばリアル
似ている映画は実は
BTTFです。
あれを
『どこか暗くした』感じ。
画面上ではバカやってるんだけど、なんかあか抜けない。
それが最後の殺人劇に繋がって行き、その後に放心したようなエンディングと、更なる何かを予感させて終わるんだけど、
これだけ書くとベタに思えるでしょ?
でも、実際観てみると、
『異様』なんだよね。
タイムスリップネタとドッペルゲンガーネタが実は同じ土俵にあるって
状況も異様だし、中盤以降、主人公が成長ってよりは
『変質』しちまう。
冒頭のフェンシングシーンに呼応するかのように
主人公はともかく彼女の中身を探ろうと四苦八苦する。
で、挙句には彼女を殺して、しれっとうまい事やっちまうんだよね……
完全にストーカー殺人鬼のそれですわw
でもそれでいて、俺の妄想が正しけりゃ
『彼女はその変質』を『喜んで受け入れた』ってことになる。
彼女が理想としていた『男』に主人公は、殺人を犯すことによって
なったというね……
どっちにしても、どーしよーもねー男だな…
つーわけで観てない人は、必見!
解釈がバラバラになるように、あえて設定を説明してない節もあるので
ここに書いてあることは丸ごと間違ってる可能性もあるよ!
自分で確かめて!!
寝てる奴大勝利の映画でもある