粗筋
チャーリー君は愚痴っていた！
フラれたのである！
「なんでだ!?　俺に原因があるのか!?　俺って良い奴じゃん!?」
そんなスーツをきっちり着込んだチャーリーに
親友のマークはうんざりだって顔をしながら答えるのでありました。
「……そういうとこじゃね？」
「……」
つーわけでチャーリーは引っ越すことになり２４時間貸し倉庫に
荷物を取りきた！
だがそこには彼を振ったブサイク元カノがいた！
「何しに来たの!?」
「荷物を取りに来たんだよ！　ところで俺に原因が!?」
しつこく食い下がるチャーリーにブサイク元カノはこう告げるのです
「あなたと一緒にいても喜びや幸せを感じないの
何も感じないのよ」

……ＥＤになるわ、そんなこと言われたら…

あ、忘れてましたが、近くに飛行機が落っこちて
人間よりちょいでかモンスターがこの貸し倉庫に潜入してまーす
ついでに閉じ込められましたー


評価：暇な時のおつまみに最適！


つまらなくはなく、平々凡々。所々、一瞬光る、という
実は探すと中々見つからない大変ありがたい映画。
ホント粗筋は上に書いた最後の三行で十分。
後は、適度にアクのあるキャラクターのやり取りと
アクションでつないでいくわけです

まずは悪い点。
①：ヒロインがブサイク・ストレージ２４の全体構造が判らない
予算の関係もあるんだろうけど、冒頭の空撮だけでは
全体の構造が判らない。これはこの映画の面白さをかなり削いでいる。


②：ヒロインがブサイク・次に何が起こるか大体わかる
捻りが無さすぎる…んだけども、同時にこれが良さでもあるので微妙か
襲われた奴がゾンビ化！とか
実は高度な知的生命体で
人を散々食っておいてガキに諭されて星に帰る
等という、展開が遅くなっちまう寄り道をしないのは良いことなんだけども
なんというか純粋に食い足りない
〇ーパー8は本当に許せない

③：ヒロインがブサイク

なんでお前がモテモテなんだよ！（宇宙人含む）と
画面を見ながら怒りが渦巻くこと必至。女優さんには悪いが
ほんとダメ。横にいる元カノの親友役、ローラ・ハドックさんが
セクシーで、美人で、友人思いで、勇敢で……

なんなのよこれ!?


良い点
①：舞台設定
恐らくは、この映画、貸倉庫の内部構造にお！ときただけで作ったんじゃねーかな？
この貸倉庫、寂れ具合といい、整然と並ぶ様といい、ちょっとした非現実感があって
どこかＳＦの匂いがするのよ。
言っちまうと宇宙船の中
いや、なんかそういう関係のドックとか、そんなの
実際、怪物が通路にいても違和感が無いのよね
逆に、主人公たちの最初の違和感といったら！
この一点だけでも、低予算映画の面白さみたいなものがビンビンに
感じられて大変よろしいです
微妙な明るさとか、益々それっぽい

②：演技
地味に巧い。特に主役を演じてるノエル・クラークの背広を来ている時の
「自信過剰の駄目な奴感」と、ワイシャツ腕まくり時の
「主人公感」の落差が凄い。アクションをこなして服が汚れていくにしたがって（お客との距離が縮むにしたがって）ちゃんとカッコいい主人公然とした目つきになっていくのは流石です
こんな感じ

③：小物やセット、造形物がよくできている
②との絡みもあるけど、例えば配管を進むシーンなんかは
配管の形が「人に優しくない形状」をしており
そこを「なれていない感じ」で這い進む。この手の映画でこういう
リアルで地味な描写は貴重。
例えば私なんかは、子供の頃、狭い土管に潜った恐怖感なんかを
薄ら思い出して、映画への没入度が上がったりする。
そして、肝心要のモンスター！
悪くない！
ちょっとドリームキャッチャーのエイリアンに
似てなくもないこの怪物ですが、動きは
操演っぽさを打ち出してる！
足は勿論、逆間接！
逆間接と言えば、昔懐かし、パンプキンヘッドが時代の変化と共に
もろにフルＣＧになってガッカリしたもんですが
こいつは（恐らく）スーツとＣＧと操演を使い分けて
ちゃんと質感を統一して、一定の面白さをキープしているのよ。
また、こいつ独特の生態描写
例えば、ダクトを破って指を出してくる時の
中に水が詰まってるような、微妙な虫っぽいふっくらした感じ！
うひょ～気持ち悪くていいねえーっ!!
他には犬の玩具に反応せざるを得ない、可愛さとか
名前すらないのにかなりキャラが立ってるのよ
意味が無いが、最高なロッカー移動！

というわけで、期待しなければ結構いいんじゃねーかな？
モンスターに襲われた犠牲者も、結構グロイことになるし
ラストのオチも『お約束』の感じで、ニッコリできるしね。
この『お約束』を重ねることで、余計で不自然な説明を省いた脚本も
何気に巧いとは思う。
あとは……もうちょっとお色気があったなら良かったんだが
ヒロインが脱いだりすると、俺がモンスター化するので
それは贅沢ってもんかな！

お暇ならどーぞ!!!
スー〇ー８は本当に嫌な映画だ